おれんじめいじonline vol.10:演劇作品を用いたリスペクトコミュニケーション研修

株式会社明治産業のアートな取り組みについてご紹介する、オンラインジャーナル「おれんじめいじonline」。
今回は、おそらく世界初、演劇作品の上演を用いた「リスペクトコミュニケーション研修」について特集します。

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PUYEY

2016年結成。高野桂子と五島真澄による、福岡市を拠点に各地で活動する演劇的パフォーマンスユニット。セリフに頼らず聴覚、視覚的な表現を多用し「生きていくやるせなさ」をやさしい言葉で紡ぐことで、大人の絵本のような作品を創作している。一方で、LINEを使用した体験型演劇や、エクササイズ形式の「フェアロビクス」など、これまでの演劇の枠に収まらない実験精神も旺盛である。
https://puyeyinfo.wixsite.com/puyey

目次

上演したのは、PUYEYさまの「おんたろう」という20分間の作品。
心の奥底に押し込めた感情を声に出し解き放つ手助けをしてくれる不思議な存在「おんたろう」が、とある歯科医院で働く女性の背中を後押しするストーリーです。

【あらすじ】
とある歯医者で働く歯科衛生士、葛木和(かつらぎのどか)の前に「おんたろう」が現れた!
おんたろうは、人間の感情エネルギーを司る神・エモ神様から和のネガティブエネルギー(負の感情)を軽減させるために派遣されてきたのだった。ハラスメントとの向き合い方をユニークに描く短編演劇。

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今回実施した「リスペクト・コミュニケーション研修」は、ハラスメントへの意識向上と理解を目的に企画された、明治産業オリジナルの研修プログラム。一方的な講義スタイルの研修ではなく、演劇作品を用いたワークショップを通じて、ハラスメントのことを「自分事」として理解を深めます。

当日は会社の会議室に特設された劇場空間で、まずは社員全員が「おんたろう」を鑑賞。その後、社員みずから「おんたろう」になりきってみるワークや、自分自身の実体験に照らし合わせたアンケートなどを実践しました。演劇という"フィクション"を一度挟むことで、普段なら心の奥に飲み込んでしまう感情も、少しだけ正直に外へ解き放つことができました。

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日常のなかのハラスメントや、相手を尊重する関わり(=リスペクトコミュニケーション)の研修として演劇を用いるのなら、演劇という"フィクション"を通じて普段は言えないことを言ってみるのが一番良い方法ではないかと考えました。しかも今回は「おんたろう」というキャラクターがいてくれますから、みんな自分が「おんたろう」になったと思えば、普段は言えないことも言えるのではないか。「おんたろう」の斜め後ろに立って声を当ててみるかたちなら、皆も口に出せることがあるだろうし、その"フィクション"の中に真実が映し出されるんじゃないかと考えました。
それに、もしそこまで出来れば、一度オープンになった心のまま、最後の「自分自身へのアンケート」で、飲み込んでいた心の内も、少しだけ正直に見つめられるかもしれないと思いました。自分を顧みることってやっぱり気が重いし、それを他人に共有することも難しい。だけど今回のワークショップを通じて、社員の皆さんには正直にそれを外へ解放し、仲間たちにも共有して良いものだと思ってもらえた。この時間のあいだに皆さんに少しでも勇気を持ってもらえたなら、本当にやれて良かったのだと思います

※レポート記事より抜粋・一部要約

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